インプラント治療が行われるようになって、約50年が経ちました。その間, 様々なインプラントが生まれては消え、残っているものも様々な改良が加えられました。その結果、信頼度が非常に上がりました。
現在使われているインプラントは、数十種類にも及びますが、個人的な意見としては、どれを使っても基本に忠実に治療を行えば、予後には大きな差は無いと思います。
当医院のAQBインプラントは純国産で日本人の口腔内に合うように設計されています。また、ワンピース型なので手術が1回で済み、
他のインプラントのようにネジ止めを行わないので、破折の心配がありません。型どりも、容易にできます。
ただ、どんなに進歩してもインプラントが人工物である事には変わりはありませんので、決して夢の治療や永久的な治療ではなく、欠点もあります。また、自分の歯を超えるものでもありません。定期管理と微調整を行うことによって、初めて長期にわたる安定がもたらされます。歯を失った原因を自覚し、対処することが何よりも大切です。その上で、インプラント治療をされれば、最大限の効果をもたらすことでしょう。
「もっと悪くなったらインプラントを考える」という方がよくいらっしゃいますが、それは間違いだと思います。当医院はかみ合わせ治療を専門に行っておりますが、歯と全身の密接な関係を考えると、何本も抜けてしまったら、その過程で、かみ合わせがずれる可能性が大きくなります。その結果、様々な体調不良を引き起こす事は、まだあまり知られていませんが事実です。 理想は自分の歯が1本抜けたらそこにインプラントを行い、早く元に近い状態に回復してあげる事だと思います。その意味では、予防治療の一つだとも考えられます。よく噛んで食べることは、命と直結しています。噛めないという事は、生命力も弱ってしまうと思います。野生動物は、歯の寿命がその個体の寿命です。そう考えると、インプラント治療は「自分の命への投資」とも言えるでしょう。
当医院は、事前カウンセリングを十分に行い、納得していただいた上で治療にとりかかります。また、歯科用CTを導入し、より精度の高い治療を目指します。ぜひ皆様にもインプラントの恩恵を受けていただきたいと思っております。
放置した場合
- 両隣の歯が動き、対合していた歯が伸びるため、噛みあわせが悪くなります。
- 歯が動いたので、隙間ができて食べ物がつまりやすくなります。
周囲の歯が歯周病やムシ歯になりやすい。
ブリッジの場合
- 両隣の健康な歯を削るので、削った歯は、弱くなります。
- 支える歯に過剰な負担がかかるため、歯の寿命が短くなります。
- 歯の抜けた部分の骨が、次第にやせていく場合があります。その結果、隙間に汚れがたまりやすくなり、虫歯や歯周病をひきおこしやすくなります。
部分入れ歯の場合
- 入れ歯のバネのかかる歯が、食べ物がはさまりやすく、ムシ歯になりやすくなります。
- 入れ歯のバネのかかる歯に負担がかかるため、歯の寿命が短くなります。
- 異物感を感じます。
- 食事のたびに、外して清掃をしなくてはいけない煩雑さがあります。
- バネが見えて、審美性が落ちます。
インプラント治療
- 両隣の歯を削らず、負担もかからないので、歯の寿命が長くなります。
(ブリッジと比較して)
- 異物感がなく、健康な歯にバネをかけないので、残っている歯の寿命が長くなります。
(入れ歯と比較して)
- 自然の歯に匹敵する力で、しっかり噛むことができ、楽しく美味しく食事をすることができます。
見た目も、自分の歯のようです。
インプラント治療は、歯を失った部位に人工の歯根を外科手術により埋め込んで、顎の骨に固着した後、人工の歯冠を上から装着する治療法です。
インプラントは永久的なものではありませんが、日々の清掃(歯磨き)と定期的な検診を継続することで、長持ちすることがわかってきました。
城南歯科医院では、1ピースタイプのAQBインプラントを行っています。これは、輸入物が多い中で、純国産の製品なので、日本人に合った設計がなされています。
1ピースタイプの特長は、手術回数が1回で済むこと、構造が単純なので、人工の歯を作る際も複雑な処置が必要なく、患者様の時間的ストレスや費用の負担を軽減できます。
また、他のシステムはインプラントと上部構造をねじ止めしますが、1ピースタイプは1本の棒の様な構造ですのでその必要がないため、折れることがありません。当医院では今までにインプラントの破折は1度も起きていません。
【長所】
- 自分の歯に近い感覚で噛むことができるので、美味しく、楽しく食事ができる。
- 周囲の健康な歯を傷つけない。
- 異物感がない。
- 見た目も自分の歯のよう。
【短所・留意点】
- 手術(抜歯と同程度)が必要
- 健康保険が使えないので、自由診療になる
- 全身疾患(重度の糖尿病など)やインプラントを埋め込む場所(顎)の骨が極端に少ない場合など、インプラント治療ができない場合がある。
メリット
機能性に優れており、自分の歯と同じような感覚で物を噛むことができる。
審美性にも優れており、周囲の健康な歯と違和感のない補綴物(被せ物)を選択できるため、見た目が気にならない。
ブリッジ治療や入れ歯と違い、周囲の健康な歯に負担をかけない。
デメリット
保険が効かないので治療費が高額になる。
手術が必要になる。
インプラントを埋入してから歯槽骨と結合するまで時間がかかるので治療が長期間になる。
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インプラントはいつから噛めるようになり、どのくらい持つのでしょうか。 |
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手術から3か月くらいで、人工の歯を被せて、噛めるようになります。その3か月の間、基本的には抜歯と同様に普通の食生活をすることができます。
正しいブラッシングと定期検診をしっかり受けることによって、長期間良好に維持されている患者さんもたくさんいます。お家で、しっかり歯磨きをしていただき、歯科医院で、3か月おきにメインテナンスを受けていただくことが、インプラントを長持ちする秘訣です。 |
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治療のとき、入院するのでしょうか。 |
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普通のインプラント手術では、入院する必要はありません。 手術直後、抜歯をした程度の安静が必要です。 |
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費用はどのくらいかかりますか。 |
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検査料+手術+インプラント本体+インプラントに被せる人工歯の合計で決まります。ほとんどの方がこの値段で大丈夫ですが、顎の骨の状態によって、骨を増やす手術が必要になる場合があります。その場合は、別途費用をいただくことがあります。治療計画と費用については、十分確認してから行いますので、ご安心ください。
インプラント治療は、健康保険が使えませんが、医療費控除の対象になります。 |
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治療ができる年齢などの制限はありますか。 |
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年齢の制限はありません。高齢者がインプラント治療を受けて、自然に噛めるようになり、元気に楽しい生活を送ることができるようになったり、交通事故で歯を失くした高校生に笑顔が戻ったりした例もあります。子供の場合は基本的には成長が終わってからがいいと思います。但し、患者さんの健康状態や顎の骨の状態によって治療ができない場合があります。
また、キチンと歯磨きができない場合や定期検診を受けることができない場合もインプラント治療の不適応となります。
詳しくは、スタッフに相談してください。 |
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インプラントというと、怖いイメージがあるのですが・・・ |
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インプラントは、歯を抜く場合と同程度の手術が必要です。十分に麻酔をしますので手術中の痛みはありません。手術後、麻酔が切れてから、多少痛みや腫れが出る場合もありますが、服薬や安静にしていただくことで、十分回復できます。
ほとんどの方が、「思っていたより全然痛くなかった」とおっしゃっています。 インプラントは顎の骨に直接固定されているのに対して、自分の歯は「歯根膜」というクッションを介して骨につながっています。そのため、インプラントと自分の歯は、まったく違った動きをします。それが口の中で共存するためには、人工物でもありますので、定期的なクリーニングに加えてレントゲンによる骨のチェックやかみ合わせの微調整が必要になります。インプラントは神経がありませんので、ある程度傷んできても、自覚症状がほとんどありません。だからこそ、専門的な定期管理が必要になります。決して永久的な治療ではありません。しかし、きちんと管理すれば、長く持たせることができ、その間は自分の歯と変わらぬように食事ができます。これは、素晴らしいことだと思います。 |