口腔機能発達不全症って何?~気づきのポイント~
2023年04月26日
ネットからの記事です。
歯科関係者向きに書いてあります。
こんにちは!診療所勤務のQです♪
今回のテーマは「口腔機能発達不全症」です。
皆さんの周りに、お口がポカンと開いていたり、発音がはっきりしなかったり、口呼吸になっているお子さまはいませんか?実はこれらの特徴は、「口腔機能発達不全症」になっている可能性があります!
口腔機能発達不全症の病態とは、「食べる機能」、「話す機能」、「その他の機能」が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態、とされています。
簡単に言うと、食べる機能に関わる病気が原因でないにも関わらず、食べる機能や話す機能などが十分に発達もしくは正しく獲得できていない状態であるため、専門的なサポートが必要だということです。
また、早い段階で気づき、サポートすることが重要だとされています。状態に応じて、小児科医や栄養士など多職種との連携が必要になります。
評価基準や診療の流れなどは、日本歯科医学会から「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」が発表されています。
今回は、簡単に診療室で気づくことができるポイントをご紹介します♪
【待ち合い室】
・お口がポカンと開いていないか
・指吸いなどの癖がないか
・姿勢が悪くないか
など
【診療室内】
・会話の中で、舌足らずな発音になっていないか
・口唇を閉じたときのラインが「へ」の字になっていないか
・唾液を飲み込んだときに、顎に梅干しのようなしわができていないか
など
この他にも、見るポイントはいくつかありますが、こちらが一方的に見るだけでなく、普段のお子さまの様子などを保護者の方に聞くことも重要です。そうすることで、お子さまが日常生活で何に困っているのかを知れますし、口腔機能の重要性を理解してもらえる機会にもなります。
具体的には、食べる時間・量・内容、いびきをかいていないかなど、診療室では分からない家での様子を聞くと良いでしょう。
例「お菓子ばかり食べて、栄養が気になっているんです…」「食べるのが早くて…」など
もし、十分に口腔機能が発達・獲得されずに、大人になるとどうなってしまうのでしょうか?
実は…
高齢者になったときに、口腔機能の低下に拍車がかかることが懸念されています。
人生100年時代、健康に過ごすためには、食べる・話すなどの口腔機能はいかに重要かが分かりますよね。
一人でも多くの人が健康に豊かな人生を送れるように、私たちがいち早く気づき、サポートできると良いですね♪